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室温は睡眠の質に影響を与える

寝るときの室温は、睡眠の質を左右する大切な要素です

どれだけ良いマットレスで寝ていても、適切な室温でないと、質の高い睡眠は得られません。

本コラムでは、室温と睡眠の質について紹介していきます。

 

適切な室温で快適な睡眠環境を整えましょう。

なぜ室温が睡眠の質に影響を与えるのか?

なぜ室温が睡眠の質に影響を与えるのかというと、睡眠の質は睡眠の最初の90分で決まるからです。

最初の90分で深い眠りに入れれば、たとえ睡眠時間が短い日でも質の高い睡眠を確保できるのです。

そのためには、最初の90分間に深部体温を下げることが大切です。

室温が適切でない場合、深部体温がうまく下がらず、睡眠の質が下がってしまいます。

室温が適切でないとどうなる?

室温が高すぎたり低すぎたりすると、快適な睡眠は得られません。

室温が高すぎ場合

室温が高すぎると、熱を逃がせないために、深部体温が下がりません。

深部体温が下がらないと、体がリラックス状態に入りにくく寝るのに時間がかかってしまいます。

また、深部体温が下がらないと深い睡眠に入れないため、浅い眠りの状態が続いてしまうのです。

室温が低すぎる場合

室温が低すぎると、体が寒さを感じることで、交感神経が活発になり、リラックス状態に入りにくくなります。

体が冷えを感じると、浅い眠りの状態が続き、夜中に何度も目が覚めてしまうなど睡眠が断続的になってしまいます。

 

また、体が冷えること自体が免疫力の低下にもつながってしまいます。

適切な室温は睡眠ホルモンの分泌を促す

睡眠の質を左右する重要な要素の1つに、メラトニンというホルモンがあります。

メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、私たちの体内時計を調整して、睡眠を誘導する働きがあります。

 

深部体温が下がることで、このメラトニンの分泌は促進され質の高い睡眠を得ることができるのです。

睡眠に快適な室温

適温は個人差があるので厳密に「〇℃が良い」とは言えません。

しかし、冷房をつけたままで眠り続けると体温が下がりすぎて風邪をひいてしまいます。

最近のエアコンではおやすみモードを使ってタイマー設定することができます。

寝る90分前に入浴する

睡眠の質を高めるためには、寝室の温度だけでなく、寝る前の過ごし方も意識しましょう。

 

「皆さんは寝る何時間前にお風呂に入っていますか?」

実は、寝る90分前の入浴が睡眠の質を高めるのです。

入浴と体温の関係

お風呂に入ることで、皮膚温度が上昇します。

この上昇した皮膚温度を下げるために、体が深部から熱を逃がします。

このメカニズムはホメオスタシスと言います。

 

ホメオスタシス:体内の状態を一定に保とうとする働きのこと

 

ホメオスタシスの働きによって、お風呂に入ることで上がった分の体温を下げて元の状態に戻そうとします。

お風呂に入ってから、深部体温が下がるまでに掛かる時間は約90分なので、寝る90分前に湯船につかることができれば深部体温が下がりやすい状態で眠りにつくことができるのです。

寝るときは靴下を脱ぐ方がいい

多くの人が、寝るときも靴下を履く習慣がありますよね。

でも、実は寝るときは靴下を脱ぐ方が、より質の高い睡眠をとるためには大切なんです。

なぜなら、靴下を履いたまま寝てしまうと熱を逃がすことができず、深部体温を下げられないからです。

深部体温が下がると、自然と眠気が訪れ、ぐっすり眠れるようになります。

 

靴下を履く場合は以下のプロセスが理想です。

  1. 靴下を履いて足を温める
  2. 靴下を脱いで熱を逃がす
  3. 深部体温が下がる

 

睡眠時は深部体温が下がっている状態だと深い眠りにつながるので、寝るときは靴下を脱ぐ方がいいです。

快適な眠りを実現するマットレス

快適な眠りのために大切なのは、適度な室温だけではありません。

適度な室温で、自分に合うマットレスで寝ることが大切なのです。

 

どれだけ適度な室温を保っていても、自分の体質に合わないマットレスで寝ていては快適な眠りは実現できません。

 

快適な眠りを実現するマットレス

  • 通気性が高いマットレス
  • 体圧分散性が高いマットレス
  • 吸湿性が高いマットレス

 

1つずつ紹介します。

通気性が高いマットレス

通気性が高いマットレスは空気が通りやすく湿気がこもりにくいです。

寝汗をかいても、すぐに乾いてサラサラになるので、朝までぐっすり眠れます。

 

通気性の高いマットレスなら、 ポケットコイルまたは高反発ウレタン素材のものがおすすめです。

ポケットコイルマットレス

ポケットコイルマットレスは、一つ一つ独立したコイルで構成され、通気性に優れており、湿気がこもりにくい構造です。

高反発ウレタンマットレス

高反発ウレタンマットレスは、身体を点で支えるため、身体とマットレスの間に空間ができやすく、湿気を逃してくれる構造です。

体圧分散性が高いマットレス

体圧分散性が高いマットレスは、体を点で支えるため、体とマットレスの間に隙間が生まれやすくなります。

この隙間が、空気の通り道となり、湿気を外に逃してくれます

 

体圧分散性が高いマットレスなら、高反発ウレタンまたはポケットコイル素材のものがおすすめです。

ポケットコイルマットレス

ポケットコイルマットレスは、一つ一つ独立したコイルで構成されているため、身体の凹凸にぴったりとフィットして体圧を分散してくれます。

高反発ウレタンマットレス

高反発ウレタンマットレスは、高い反発力によって身体を点で支えてくれるため、体への圧力を分散してくれます。

吸湿性が高いマットレス

吸湿性が高いマットレスは、寝ている間の汗を素早く吸収してくれるので、快適な睡眠環境を保てます。

 

吸湿性が高いマットレスなら、天然素材で作られたマットレスがおすすめです。

天然素材マットレス

天然素材のマットレスは、コットンや麻などの繊維で作られています。

これらの素材は、寝ている間の汗をきちんと吸収してくれるので快適な睡眠環境を保てます。

以下のページでは、素材や構造などを比較してもっともおすすめのマットレス5選を紹介しています。

 

 

ぜひ自分にぴったりのマットレスを見つけてくださいね。

まとめ

質の高い睡眠は、健康な生活を送る上でとても大切です。

快適な睡眠のためには、暑すぎず寒すぎない適度な室温を保つことが理想的です。

この温度帯は、深部体温を下げ、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を促し、深い眠りを誘導します。

 

さらに、寝る90分前に湯船につかることで、睡眠時に深部体温が下がりやすくなり、質の高い睡眠が得られます。

 

寝るときは靴下を脱ぎ、通気性が高く体圧分散性に優れたマットレスを選ぶことも大切です。

 

室温、入浴時間、寝具、靴下など、これらの要素を調整することで、より快適で質の高い睡眠を実現できます。