睡眠の質は、最初の90分で決まります。
睡眠時間が8時間だとして、8時間ずっと同じように眠っているわけではありません。
「レム睡眠とノンレム睡眠という言葉を聞いたことはありますか?」
一晩の睡眠は、このレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるサイクルで構成されています。
レム睡眠 | 浅い眠り | 夢を見たり脳が活発に動く |
---|---|---|
ノンレム睡眠 | 深い眠り | 成長ホルモンが分泌される |
このサイクルをスムーズに繰り返すことが、質の高い睡眠を得る秘訣です。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠は、脳も体も完全に休んでいる状態です。
眠りについた直後、最初に訪れるのは、この深いノンレム睡眠です。
特に、最初の90分間は、一晩の中でもっとも深い眠りと言えます。
この深い眠りの時間を確保することで、その後の睡眠リズムが整い、質の高い睡眠へとつながります。
レム睡眠
レム睡眠は脳は起きていて体が眠っている睡眠のことです。
睡眠は、深いノンレム睡眠から始まり、夢を見るレム睡眠へと移り変わります。
このサイクルを繰り返し、明け方になるにつれてレム睡眠の時間が長くなるのです。
また、このレム睡眠中に夢を見たりします。
最初の90分でたくさんの成長ホルモンが分泌する
「グロースホルモンという成長ホルモンを聞いたことはありますか?」
グリースホルモンとは子供の成長に大きくかかわってくるホルモンですが、大人になってからも重要な役割を持っています。
「成長ホルモンというと大人じゃなくて子どもの成長をうながすホルモン」と思われがちですが、大人にとっても健康の維持を支えるホルモンなのです。
そのようなグロースホルモンは最初のノンレム睡眠が訪れた時に最も多く分泌されます。
最初の深いノンレム睡眠の質が悪かったり、外部から阻害されてしまうと、正常に分泌されないのです。
眠りについて最初の90分は、睡眠全体の中で最も深い睡眠であり、睡眠の質を高めるグロースホルモンが一番多く分泌される重要な時間といえます。
最初の90分で自律神経を整える
睡眠の最初の90分は、体が最もリラックスできる特別な時間です。
なぜなら、睡眠の最初の90分は副交感神経という、体を休ませるための神経が優位に働いているからです。
副交感神経が優位になると、体が休息モードに入り、体がリラックス状態に入るため、日中の疲れた体の修復やエネルギーの回復を行います。
また、成長ホルモンも分泌されるので休息効果が高い時間帯です。
いっぽうで、交感神経が優位になると、脳の活動が活発になり、呼吸や心拍が変化します。
もし、この交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうと、自律神経の乱れが起こり、頭痛や肩こり、疲労感、イライラ感などの不調が現れることがあります。
つまり、睡眠の最初の90分は、自律神経のバランスを整える上でとても重要な時間帯です。
副交感神経が優位になる睡眠の最初の90分をしっかりと確保することで、自律神経の乱れによる体の不調を防ぎ、健康を維持できるのです。
快適な睡眠環境を整える
最初の90分でしっかり眠るためには、まず快適な睡眠環境を整える必要があります。
快適な睡眠環境を整える上で、一番最初に考えてほしいのがマットレスの相性です。
自分に向いているマットレスで寝れていないと、どれだけ睡眠時間を取っていても快適な眠りは実現できません。
まずは、今のマットレスが自分に合っているのか確かめましょう。
以下の項目に当てはまる場合は、自分に合っていないマットレスを使っているのかもしれません。
- 睡眠時間はきちんととれているのに体がだるい
- 朝起きたら肩や腰が痛む
- 朝起きた時の寝汗がひどい
- 寝返りの回数が多い
睡眠時間はきちんと取れているのに体がだるい
「睡眠時間はきちんと取れているのに体がだるい」という方は、快適な睡眠環境を整えられていません。
寝つきが悪い原因として、体に合っていない硬さや素材のマットレスで寝ていることが考えられます。
たとえば、体の重い人が柔らかすぎるマットレスで寝ていると、体が沈み込みすぎて固定されないため、体が浮いているような感覚になります。
しっかり睡眠時間は取っていても寝心地が悪いと日中の疲れを取ることはできないのです。
朝起きたら肩や腰が痛む
「しっかり寝たはずなのに朝起きたら体がバキバキ・・・」という方は、体に合っていない硬さのマットレスで寝ている可能性があります。
たとえば、寝姿勢が横向きだと肩や腰に集中して圧力がかかってしまいます。さらに硬いマットレスで寝ていると肩や腰へ集中して掛かっている圧力を分散することができないので体の痛みの原因になってしまうのです。
朝起きた時の寝汗がひどい
「朝起きた時汗で背中がびっしょり・・・」という方は、通気性の悪いマットレスを使っている可能性があります。
通気性の悪いマットレスは、空気が通りにくいため、寝汗を吸収しにくく、湿気がこもりやすい状態になります。
その結果、寝苦しさを感じて何度も目が覚め、熟睡を妨げてしまうのです。
寝返りの回数が多い
「寝返りの回数が多い」という方は、眠りが浅く熟睡できていない場合があります。
本来寝返りは、体にかかる圧力を分散し、血行を促進することで体の負担を減らして快適な睡眠を促す効果があります。
しかし、寝返りの回数が多すぎるのは、かえって睡眠の質を下げてしまうのです。
適度な寝返りの回数を保つためには、自分に合ったマットレスを選ぶことが大切です。
睡眠の質を向上させるマットレスの選び方
自分に合ったマットレスを選ぶ際は、硬さを基準にすると選びやすいです。
マットレスの硬さを選ぶ基準のひとつとして、体重に応じた選び方があります。
体重 | 柔らかいマットレス | 中程度のマットレス | 硬めのマットレス |
---|---|---|---|
50㎏以下 | ◎ | △ | × |
50㎏~75㎏ | △ | ◎ | △ |
75㎏以上 | × | △ | ◎ |
柔らかいマットレス
柔らかいマットレスは体の形にフィットしやすく、肩や腰をしっかり包み込むことができます。
とくに横向きで寝る人に適しており、体のカーブにそって自然で快適な姿勢で眠ることができます。
中程度の硬さのマットレス
中程度の硬さのマットレスは圧力を均等に分散し、体の過度な沈み込みを防ぎます。
これにより、筋肉や関節への負担が軽減され、健康な体を維持できます。
寝姿勢にこだわりがない人や、寝姿勢が一定しない人におすすめです。
硬めのマットレス
硬めのマットレスは通気性が良く、湿度がたまりにくいため、清潔感のある睡眠環境を保ちやすいです。
また、高反発なので変形しにくく長持ちします。
清潔に長く使いたい人におすすめです。
まとめ
睡眠の質は、最初の90分で決まります。
とくに、最初の90分間の深いノンレム睡眠は、成長ホルモンの分泌を促し、自律神経を整える上でとても重要です。
最初の90分でしっかり眠るためには、快適な睡眠環境を整えましょう。
快適な睡眠環境を整える上で、一番最初に考えてほしいのがマットレスの相性です。
自分に向いているマットレスで寝れていないと、どれだけ睡眠時間を取っていても快適な眠りは実現できません。
快適な睡眠環境を整えるために、自分に合ったマットレスを選ぶことが大切です。
以下の項目に1つでも当てはまるものがある方は、今一度マットレスを見直してみましょう。
- 睡眠時間はきちんととれているのに体がだるい
- 朝起きたら肩や腰が痛む
- 夜中に何度も目が覚めてしまう
- 寝返りの回数が多い