
睡眠時間は長ければ良いというものではありません。
大切なのは、質の高い睡眠を確保することです。
短時間でも質の高い睡眠をとることで、日中のパフォーマンスが向上し、ストレスも軽減されます。
「睡眠時間を増やしたいけど、仕事や家事に追われて睡眠時間を増やすのはできない」という方もいるのではないでしょうか。
睡眠時間を増やせなくても、睡眠の質を高める工夫次第で、ぐっすり眠れます。
質の高い睡眠とは?
「そもそも質の高い睡眠って・・・?」
質の高い睡眠とは、寝つきが良く、途中で起きることなく朝すっきり目覚められる状態のことです。
質の高い睡眠の例
- 寝つきがいい
- 途中で起きない
- 体が痛くない
- 適度に寝返りが打てる
寝つきがいい
寝つきがいい眠りとは、ベットに横になってすぐに眠りにつける状態のことです。
深いノンレム睡眠に入るまでの時間を短縮できるため、より多くの時間を深い睡眠に充てることができるのです。
ノンレム睡眠とは
ノンレム睡眠は、脳も体も完全に休んでいる状態です。
眠りについた直後、最初に訪れるのは、この深いノンレム睡眠です。
特に、最初の90分間は、一晩の中でもっとも深い眠りと言えます。
この深い眠りの時間を確保することで、その後の睡眠リズムが整い、質の高い睡眠へとつながります。
途中で目覚めない
途中で目覚めることなく、朝まで眠り続けることができる状態は、質の高い睡眠だといえます。
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるサイクルです。
深い眠りであるノンレム睡眠では、日中の疲れた体の修復やエネルギーの回復を行います。
また、グロースホルモンという成長ホルモンが分泌されるので休息効果が高い時間帯です。
いっぽうで、眠りが浅いレム睡眠では、脳が活発に動くため、日中の記憶の整理や定着を行います。
途中で目が覚めてしまうと、深い眠りと浅い眠りが切り替わってしまい、十分な休息を得られない可能性が高まってしまうのです。
途中で何度も目が覚めることなく、睡眠サイクルをスムーズに繰り返せる状態だと質の高い睡眠を確保できています。
体が痛くない
朝目覚めた時に、肩や腰が痛いなどの体の不調がないということは質の高い睡眠がとれているといえます。
質の高い睡眠には、自分に合ったマットレスで寝ることがとても重要です。
たとえば、寝姿勢が横向きの人が硬いマットレスを使うと、肩や腰などへ集中しやすい圧力を分散することができません。
そのような状態だと、体への負担を軽減できずむしろ増加させてしまい、体への痛みの原因になってしまうのです。
自分に合うマットレスを選ぶことで、体への負担を軽減し質の高い睡眠環境を整えることができます。
適度に寝返りが打てる
寝返りは、体にかかる圧力を分散し、血行を促進することで、体への負担を減らして快適な睡眠を促してくれます。
寝返りをせずに、ずっと同じ体制で寝ていると、圧力が特定の部位に集中してしまうために、血流が悪くなったり体への痛みの原因になります。
いっぽうで寝返りの回数が多いのも質のいい睡眠とは言えません。
寝返りの回数が多いと、睡眠が浅くなり熟睡できていない状態が続いてしまうからです。
そのため、寝返りは多すぎず少なすぎない適度な回数が大事なのです。
どうして質が重要なのか?
仮に4時間しか眠れなくても、最初の90分の質が良ければ、スッキリした目覚めを迎えられるからです。
最初の90分の睡眠の質が良ければいいのです。
最初の90分でたくさんの成長ホルモンが分泌する
「グロースホルモンという成長ホルモンを聞いたことはありますか?」
グリースホルモンとは子供の成長に大きくかかわってくるホルモンですが、大人になってからも重要な役割を持っています。
「成長ホルモンというと大人じゃなくて子どもの成長をうながすホルモン」と思われがちですが、大人にとっても健康の維持を支えるホルモンなのです。
そのようなグロースホルモンは最初のノンレム睡眠が訪れた時に最も多く分泌されます。
最初の深いノンレム睡眠の質が悪かったり、外部から阻害されてしまうと、正常に分泌されないのです。
眠りについて最初の90分は、睡眠全体の中で最も深い睡眠であり、睡眠の質を高めるグロースホルモンが一番多く分泌される重要な時間といえます。
最初の90分で自律神経を整える
睡眠の最初の90分は、体が最もリラックスできる特別な時間です。
なぜなら、睡眠の最初の90分は副交感神経という、体を休ませるための神経が優位に働いているからです。
副交感神経が優位になると、体が休息モードに入り、体がリラックス状態に入るため、日中の疲れた体の修復やエネルギーの回復を行います。
また、成長ホルモンも分泌されるので休息効果が高い時間帯です。
いっぽうで、交感神経が優位になると、脳の活動が活発になり、呼吸や心拍が変化します。
もし、この交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうと、自律神経の乱れが起こり、頭痛や肩こり、疲労感、イライラ感などの不調が現れることがあります。
つまり、睡眠の最初の90分は、自律神経のバランスを整える上でとても重要な時間帯です。
副交感神経が優位になる睡眠の最初の90分をしっかりと確保することで、自律神経の乱れによる体の不調を防ぎ、健康を維持できるのです。
睡眠の問題を時間でコントロールするのは難しい
「たくさん寝れば、疲れは取れる」と思いがちですが、睡眠は単に時間の長さだけでなく、質もとても重要です。
普段から睡眠不足が続いている場合、週末にたくさん寝ても、日頃の睡眠不足を取り戻すことは難しいのです。
自分に合うマットレスで睡眠の質を高める
質の高い睡眠を実現するために、一番重要なのは自分に合うマットレスで寝ることです。
自分に合ったマットレスを選ぶ際は、硬さを基準にすると選びやすいです。
マットレスの硬さを選ぶ基準のひとつとして、体重に応じた選び方があります。
| 体重 | 柔らかいマットレス | 中程度のマットレス | 硬めのマットレス |
|---|---|---|---|
| 50㎏以下 | ◎ | △ | × |
| 50㎏~75㎏ | △ | ◎ | △ |
| 75㎏以上 | × | △ | ◎ |
柔らかいマットレス
柔らかいマットレスは体の形にフィットしやすく、肩や腰をしっかり包み込むことができます。
とくに横向きで寝る人に適しており、体のカーブにそって自然で快適な姿勢で眠ることができます。
中程度の硬さのマットレス
中程度の硬さのマットレスは圧力を均等に分散し、体の過度な沈み込みを防ぎます。
これにより、筋肉や関節への負担が軽減され、健康な体を維持できます。
寝姿勢にこだわりがない人や、寝姿勢が一定しない人におすすめです。
硬めのマットレス
硬めのマットレスは通気性が良く、湿度がたまりにくいため、清潔感のある睡眠環境を保ちやすいです。
また、高反発なので変形しにくく長持ちします。
清潔に長く使いたい人におすすめです。
まとめ
睡眠時間は長ければ良いというものではありません。
大切なのは、質の高い睡眠を確保することです。
短時間でも質の高い睡眠をとることで、日中のパフォーマンスが向上し、ストレスも軽減されます。
